2001年に発売されたMILESのされたCOMPLETE IN A SILENT WAY SESSION(3CDSET)は1969年に発売されたアルバムに未収録の音源を加えたものですがこの手の他のものとは良い意味で違った内容のものとなっています。まずELECTRIC MILESによくある冗長な印象が無いのですがこれはここに集録されたものは既にTEOの手によるカットが行われものであると判断されるのですがそれ以上にここでの演奏には集中力と気迫が感じられるのですね。これは前作KILLIMANJAROの演奏がもたついた印象のものであるのとは対照的です。さらに各楽器が反響音でも逆相のものもうまく取り入れられた細心の録音となっておりオリジナルのアルバムに収録されなかったトラックの質が高くオリジナルアルバムがこの3CDの抜粋盤であるとの印象を残すものでこれは異例な出来事です。
多少の不満はTONY WILLIAMSのドラムの座りが悪く感じられることで実際次作のBITCH'SではDEJONETともう一人の2DRUM編成に代わっておりA.MOREIRAの参加が妖しげな雰囲気を盛り上げていくことになります。
前作のHANKOCKとCOREAに加えてZAWINULの参加があり彼はオルガンも弾いていますががあり後のW.REPORT的なサウンドがここで聴かれるます. MILESはGET UP WITH ITで自らシンセを弾いていますがここでのオルガンのフレーズにはそれを思わすようなところがありZAWINULのここでの影響力は大きいようです。
J.MACLAUGHLINとMILESとの付き合いは比較的長くなっていくのですが後のロック的な色合いがまだ薄いこのときの方が面白いものを提供してくれているようです。
次作との印象を大きく分けているのはそこではMILES自身がペットのエレクトリックな効果をぺダル等で行っていることですがこれは調整が難しかったようでオーディオでも高級機でのきちっとした再生をすると本来のペットの音と音響的な成分が分離してしまうのでそこそこのステレオ機器での再生の方が気分よく聴けるということになります。