いつまでも気になるタンゴ - GREENWASH
2025/07/10 (Thu) 06:39:21
以前の書き込みに重複していることが多いですがタンゴをアピールしたい気持ちが強くあってのことです。
僕は年に一度ほどはアルゼンチンタンゴのレコートを引っ張りだし自分のこのジャンルの音楽への共鳴度というか理解の変化を確認することを楽しんでいるのですが何か着々と深まっているのを実感しています。
アルゼンチンタンゴは音楽のなかでも感情表現に特殊なものを有していると評価したのはバイオリニストのギドンクレーメルですが、政情の変化によりロシア大陸からこの地方へ移住した上流家庭の連中が成立に大きく関わっていることは疑いの無いことで大衆音楽というよりクラシックの室内楽の性格がありその理解には使用されている各楽器(ピアノ、バイオリン、バンドネオン等)のフレーズを見極めて聴くことが必須で鳴り響く全体的なイメージだけで聴くとどれも同じようなものに聴こえてくるだけの様です。
戦後の日本のタンゴブームを支える人達には自身そのダンスを習得することに熱心な人が多く自然とその音楽の本質を理解することになったということのようです。ちなみに現在でもダンス教室に通う人達によるとタンゴでもコンチネンタルタンゴとは違ってアルゼンチンのもののダンスの習得には困難を有するということです。
以前に触れたことですが、日本での異常とも思えるブームは60年代前半を中心に発売されたこのジャンルのレコードの豊富な内容と売上の高さで、これは特に数年前までの中古市場(主に店頭)での出品数の数と種類の豊富なことから伺えることです。僕の手元に数百枚のLPとEPレコードがあるというのも50枚くらいで数千円で購入できたからです。
前述のクレーメルですがピアソラの演奏を空港のTVで観て好きになってそうで、彼の多くの作品を彼自身が手掛けて大ヒットとなったのですが、所詮ピアソラはミロンガ奏者でクレーメルはバイオリン奏者なのでバイオリンを中心にして編曲された者が録音されたのですが僕自身はこれらの編曲がピアソラ音楽本来の魅力を減じていることに気付いたという体験があるのでアルゼンチンタンゴに関しては彼のオリジナル録音と幅広く50-60年代のもを聴くことをお勧めします。
また彼のオリジナル録音をそれなりの量を聞けば彼が一時的にも何故非難されたかということもよくわかるというのも面白いことです。